樋口楓🍁にじさんじ所属 @HiguchiKaede 2023年3月22日

がんばれ侍ジャパン!!!!!!!!!!
【同時視聴】WBC決勝!侍ジャパンvsアメリカ代表【にじさんじ / 樋口楓】
#振り返り
匿名希望
野球を見たいなんて、人生で思ったことがなかった。
なんとなくスポーツ自体敬遠してたし、ルールも正直よくわかんないし、あと、スポーツ応援する人、なんかちょっと、苦手だし。
だけど、あなたを知ったのは、高校野球の選手を育てるゲームで、声が枯れるまで自分の選手たちを応援し続けていたあの熱い夏の日だった。
正直、ぜんぜんよく分かってなかったと思う。ルールはもちろん、そのときはライバーのこともあまり知らなかった。でも、あなたのその姿に心が震えてしまって。
そこから、なんとなく、ルールを覚えた。
画面の前で、一緒になって祈ってしまったし、声を上げて応援した。
悔し涙も流した。そしてちょっとだけ、スポーツニュースの内容が分かるようになっていた。
夏は何度も過ぎた。
あなたが監督をしているから、たまたまこのスポーツの魅力を知っただけ。
だけど、でも、それでもいいんだろうか。
――会場にすらいないけど、今、この瞬間に、胸沸き躍らせて、いいんだろうか。
「え、これリアルタイム!?」
画面から聞こえてきた声といっしょに、思わず笑ってしまう、快音が響いて、一緒に笑って大声を出した。画面から聞こえてくる彼女の笑い声と、会場のどよめき。55番がきらめいて見える。すごい、この決勝で、大舞台で、ここ一番で決めちゃった。あんなに苦しんでたのが噓みたいだ。
「越えた!? これ再放送じゃなくて!?」
おんなじこと思った。この選手、すごい、また打った。
あ、惜しい、でも当たってる。きっとこの人にはこの速い球が見えてるんだよね、きっと。
この選手は、骨折したって聞いたのに打ってるし捕ってる。
わ、満塁。これ、もしかしてまた点が入るかな。
ちょっと前まで、申し訳ないけど、名前も実は知らなかった。でも一緒に見ていくうちに覚えられた。どんな人たちなのかも、ちょっと分かる。ベンチの奥に飾ってある51番と20番のユニフォームの意味も、今もう分かる。
ドキドキする。ワクワクする。
あなたが教えてくれた、新しい世界。
そして、あの大きな背中が、振りかぶって、投げて。
「「ぅわぁあああああああっ!!!!!!」」
画面の彼女と声が揃う。オンラインだからズレがちょっとあったのに、その時だけちょうどぴったり合ったらしい。いや、もう、すごい、すごいすごいすごい!!!!!
優勝だ!
「めっちゃうれしくて体かゆい!」
ああ、もちろん日本が優勝したのは嬉しいけど。
「私きっかけで見てくれた人にも感謝」
うん。
うん、ありがとう、わたしにこんな経験を与えてくれて。
あなたが嬉しそうで、ほんとうに、ほんとうにうれしいし、あの頑張った選手たちが嬉しそうで、なんだかもう泣きそうだ。
ありがとう、と小さく呟く。
わたししかいない部屋だけど、本当に勝手な話なんだけど、その瞬間少しだけ、確かに世界中と、日本中と、ちょっとだけ繋がったような気持ちになって。
「にじさんじ入って良かったァ~!!」
リアルタイムで試合が見れてよかった、って意味のあなたの言葉に、だけど思わずうなずいてしまった。